ニセ×カレ
「みみぃ、どうするぅ?
ひなたち、2年生だよー!」

「どうする、って言われても…勉強が難しくなるねとしか…。」

「もぉー、マイナス思考な話はやめてよーっ!!
ほら、可愛い1年生が入ってくるよっ、ひなたちの部にいーっぱい入れなきゃねっ!」

「そうだね、いっぱい入ってくれるといいね!」


私たちは、吹奏楽部に入っている。

まぁ、ひなに無理矢理連れてかれたのがきっかけなんだけど。

今じゃ、入ってよかったなって思ってる。


「まぁそんなことよりさ、みみ、春休み進展あったの?」

「な、何をいきなりっ!!」

「えーっ、わかるでしょ? 篠宮君だよぉ。」

「だ、だから、涼太はただの幼なじみで、好きなわけじゃないんだってばっ!」

「え~っ絶対好きなんだと思うんだけどなぁ…。」


ひなと話している篠宮涼太(シノミヤリョウタ)は、正真正銘私の幼なじみ。

幼稚園からずーっと一緒。

そこらへんの男子より仲は良い。

でも、好きなわけじゃない。

だって、ただの幼なじみだもん。


「クラスの子も言ってるよ、天海さんと篠宮君のうわさとか。」

「何それ?」

「ほら、篠宮君、すっごいもててるからさ、篠宮君の好きな人は誰だ~みたいな?
なんかファンの人たちがファンクラブ作っちゃったらしいの!」


うわぁ…。

涼太がもててるってのは噂で聞いたけど、そこまでだとは…。



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