ニセ×カレ
そう言い放った麗華さんの目つきは冷たく、鋭い刃物のようだった。

その眼に見つめられた私は身動きが取れなくなっちゃって…。


腕を掴まれて、どこかへと引っ張られていった。


着いたのは体育館裏だった。

藍沢和樹もそうだけど、ちょっとチャラい人たちって体育館裏が好きなのかな。

麗華さんも周りの人たちも、かなりチャラかった。


「ねぇ、天海美々香ちゃんって、ファンクラブ、入ってたっけ?」

「…入ってないですけど…」

「だよねぇ、リストには入ってないもんね。でもさ、ファンクラブに入ってないからとはいえ、勝手に手ぇ出していいと思ってんの?」


勝手に手を出した?

私が?

ファンクラブなんて名前だけしか知らないし…。


そんなことより、麗華さんの目が怖すぎて何にも言い返せない。 


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