ニセ×カレ
「ファンクラブ、知らないかなぁ? お約束の3番に、勝手に手は出さないって書いてあるはずだけど…」

「麗華が決めたことだよ? なんで守ってないのぉ?」


意味が分かんないよ。

お約束の3番って何よ…。


「ねぇ、何で和希に手を出したの……?」

「私たちのものだよ。せっかく頑張ってポイントためて1群に選ばれたんだから。」

「どんだけ大変だったか、わかってんの?」


やっと、全ての謎が解けた。

この人たちは藍沢和樹のファンクラブの人…。

麗華さんはその中の一番偉い人なんだろう。


でも、私は手なんて出してない。

どうして責められなきゃいけないの?


「わ……私は…何にもしてないです……」

「何にもしてない? ふざけんなよ。じゃあなんであんたが彼女になってるわけ?
和樹のブログに書いてあんだよ。」

「でも……まだ何にも…私からは何にもしてないですし…」

「ヘぇー。和樹のブログにキスとかっていう文字が並んでたんだけどなぁ…。」


ダメだ、何を言っても聞いてもらえない…。

だんだん悲しくなってきて、目さえうるんできた…。


「私は…」

「おーい、みみ…ってあれ? お前ら何してんの…?」
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