手紙
進む道





それから数年後、
別々の進路に向かった
あたし達。


離ればなれは
寂しかったよ。

キミはいつも
あたしの右側にいたから
右手が寒く感じた。


あの頃、何故か風邪を
よくひいていたのはキミのせい。


そう言う度に、キミは目を細めて
呆れたような顔をしていたね。



そんな顔されても
全然イヤじゃなかったよ。




あたし、実は昔からキミだけには
甘いんだ。


知らなかったでしょ?
あたしってば、素直じゃないから。




キミに、いったいどれだけの
言葉を
気持ちを
あたしは伝えられただろう。




あたしの匂いが好きだと言った
キミはどのくらい伝えられた?



今となってはもう
誰にも分からないよね。




< 4 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop