12 love storys
「雪……ですか?」
あっという間に溶けてゆく
口の中の一口大に固められた雪。
「あっ、甘い……。」
舌で転がすと、
明らかに雪には不自然な甘さが
じわぁっと口の中に広がった。
チョコの味がした。
「雪は甘いでしょ?」
と、
尚も嬉しそうに言うその人の鼻は
やはり、まだ赤かった。
外は相当、寒いに違いない。
「えっと……怒ってます?よね?
いきなり、訳も分からず変な事されて……
あっ、雪ですけどそこの木の葉に
乗っかっていたものなので
綺麗なものです……だから
お腹壊したりとか……そのぉ……
あー、何が言いたいんだ僕は!」
「クスクスクスッ……ありがとうございます。」
「そうだ、それです。
それ、そのーーー
笑ってほしいと思ったんです、貴女に。」
「えっ……。」
「あっ、いや、余計なお節介ですよね。
しかもこんなおじさんに言われてもね……。
ただ、貴女を見ているとーーー
自分と重なって……。」
そう言ったその人の顔は
最初、見かけたときと同じ
とても悲しげなものだった。
あっという間に溶けてゆく
口の中の一口大に固められた雪。
「あっ、甘い……。」
舌で転がすと、
明らかに雪には不自然な甘さが
じわぁっと口の中に広がった。
チョコの味がした。
「雪は甘いでしょ?」
と、
尚も嬉しそうに言うその人の鼻は
やはり、まだ赤かった。
外は相当、寒いに違いない。
「えっと……怒ってます?よね?
いきなり、訳も分からず変な事されて……
あっ、雪ですけどそこの木の葉に
乗っかっていたものなので
綺麗なものです……だから
お腹壊したりとか……そのぉ……
あー、何が言いたいんだ僕は!」
「クスクスクスッ……ありがとうございます。」
「そうだ、それです。
それ、そのーーー
笑ってほしいと思ったんです、貴女に。」
「えっ……。」
「あっ、いや、余計なお節介ですよね。
しかもこんなおじさんに言われてもね……。
ただ、貴女を見ているとーーー
自分と重なって……。」
そう言ったその人の顔は
最初、見かけたときと同じ
とても悲しげなものだった。