12 love storys
「よっ。」

玄関を開けたら
山川が営業マンらしい
爽やかな笑顔で立っていた。

普段のスーツ姿も格好いいけど
なんてことない長袖シャツに
チノパン姿も新鮮で
ドキドキしちゃう。

「どど、……どうぞ。」

ダメだ。
緊張して上手く話せない。
てゆーか、
お化粧直ししたかったな……。

一人緊張する私を他所に
靴を脱ぎ中へと入ってくる山川。

「お邪魔しまーす。
おおっ、
めちゃいい匂いしてんじゃん。
俺、実は朝から何も食ってなくて
腹ペコでさぁ、
もう卵なしのチキンライスでも
いいくらいだよ。」

「本当に?んー、
でも折角だから卵で包むわよ。
これでも得意料理なんだから
オムライス。」

「それもそうだな。
お前の手料理食べれるなんて
めちゃ、嬉しいよ。
でもーーー
今は先にこっちを頂くか。」

「へっ?
な、なに……っん、ぅんん……」

続けようとした言葉を
途中で遮られた。






山川の唇でーーー。
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