12 love storys
「それから……忘れ物はないかな?
タオルに日焼け止めに……後は……
大丈夫だね。」


誠也くんに出された宿題を
かなりの本気モードで
何とかやり遂げた私はその週末
クラスの友達数名と
海に行く約束をしていた。


本当は今日、誠也くんが
教えに来る日なんだけど
うちのお父さんもお母さんも
今日は親戚の法事で前から
留守になる予定だったのを良いことに
体調が悪いからとさっき
誠也くんに断りのメールを
入れたところだ。


「これで、大丈夫だよね。」


携帯をバッグにしまうと
私は部屋から出て
玄関へと向かった。


ガチャ……


「……へっ……?」











「ふうん。
医者に行くにも随分と
弾けた格好で行くんだなお前は。」


玄関のドアを開けると
そこにはかつてないほど
怖い顔をした誠也くんが立っていた。








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