12 love storys
昔っから、そう。
私の悪い癖。
分かってる。
だからいつも母さんに
口煩く言われるのよ。
ーーあんたは情に流されやすい。
ってね。
そんなだから当然
男運も良い訳なくて
ついこの前も腐れ縁の浮気男に
漸く別れ話を切り出した所だ。
はぁ……。
そして今、私の目の前には
彼女に逃げられた男が一人。
結局、あの後
彼を放っておいて自分の部屋へと
入ったんだけど
妙に気になって……。
でもダメダメダメと
何度も自分に言い聞かせて
無視を決め込んだものの
何だか部屋の外から大きなくしゃみが
何度も何度も聞こえてくるもんだから……。
そしてーーー
彼は今、嬉しそうにホットミルクを
チマチマ飲んでいる。
猫かっ。
だけどどこかの
アイドルグループにでも
いそうな甘いマスク。
そう、くっきり二重に
スッと通った鼻筋
そして形の良い唇のすぐ下には
小さなホクロがあって
男の人にしちゃ、随分とセクシー ……
兎に角、顔が良いから
猫みたいにチマチマと
ミルクを飲んでいても
ちょっと可愛いなんて
思っちゃう自分もいたりして……
アホか、私は。
ダメだ。
可愛い顔してるからって
流されちゃダメ!
「ねぇ?
携帯あるんでしょ?
今からでも友達に連絡して
泊めてもらいなよ。
分かるよね?
いくらなんでも他人でしかも
女である私があんたを泊める訳には
いかないでしょ?」
と、
なるべく突き放すかのように言うと
「携帯ない。
って言うより壊れました。」
と、一言返ってきた。
「はあ?嘘言わないでよ。
調子良すぎない?
本当は持っているんでしょ?
そんなこと言ってもダメよ。
泊める訳にはいかないの。」
と、ここで甘い顔しちゃダメって
自分の胸に言い聞かせて
部屋から追い出そうと
腕を掴んだんだけど……。
えっ……。
嘘でしょ?
何か体熱くない?
「あんた、熱あるの?」
「さぁ……。
ちょっと寒いなぁとは
思ってたんですけど……熱はないかと……。」
相変わらず某県のクマの人気キャラクターが
描いてあるマグカップを
両手に抱えながら
チマチマとチマチマとミルクを飲む彼の
おでこに手を添えると……。
「あっつ……。ちょっと、熱あるわよ。」
明らかに熱かった。
私の悪い癖。
分かってる。
だからいつも母さんに
口煩く言われるのよ。
ーーあんたは情に流されやすい。
ってね。
そんなだから当然
男運も良い訳なくて
ついこの前も腐れ縁の浮気男に
漸く別れ話を切り出した所だ。
はぁ……。
そして今、私の目の前には
彼女に逃げられた男が一人。
結局、あの後
彼を放っておいて自分の部屋へと
入ったんだけど
妙に気になって……。
でもダメダメダメと
何度も自分に言い聞かせて
無視を決め込んだものの
何だか部屋の外から大きなくしゃみが
何度も何度も聞こえてくるもんだから……。
そしてーーー
彼は今、嬉しそうにホットミルクを
チマチマ飲んでいる。
猫かっ。
だけどどこかの
アイドルグループにでも
いそうな甘いマスク。
そう、くっきり二重に
スッと通った鼻筋
そして形の良い唇のすぐ下には
小さなホクロがあって
男の人にしちゃ、随分とセクシー ……
兎に角、顔が良いから
猫みたいにチマチマと
ミルクを飲んでいても
ちょっと可愛いなんて
思っちゃう自分もいたりして……
アホか、私は。
ダメだ。
可愛い顔してるからって
流されちゃダメ!
「ねぇ?
携帯あるんでしょ?
今からでも友達に連絡して
泊めてもらいなよ。
分かるよね?
いくらなんでも他人でしかも
女である私があんたを泊める訳には
いかないでしょ?」
と、
なるべく突き放すかのように言うと
「携帯ない。
って言うより壊れました。」
と、一言返ってきた。
「はあ?嘘言わないでよ。
調子良すぎない?
本当は持っているんでしょ?
そんなこと言ってもダメよ。
泊める訳にはいかないの。」
と、ここで甘い顔しちゃダメって
自分の胸に言い聞かせて
部屋から追い出そうと
腕を掴んだんだけど……。
えっ……。
嘘でしょ?
何か体熱くない?
「あんた、熱あるの?」
「さぁ……。
ちょっと寒いなぁとは
思ってたんですけど……熱はないかと……。」
相変わらず某県のクマの人気キャラクターが
描いてあるマグカップを
両手に抱えながら
チマチマとチマチマとミルクを飲む彼の
おでこに手を添えると……。
「あっつ……。ちょっと、熱あるわよ。」
明らかに熱かった。