12 love storys
トラ……
んもぉ~
また潜り込んできたのね。


お前って本当に甘えん坊なんだから……


またぁ、
そんな所に潜らないの
トラ……止めなさい
トラ……



トラ……








「だから、トラじゃないって。
酷いなぁ、真智子さん。
ネコと彼氏間違えないでよ。」
















「ねぇ、彼氏って誰よ?」


まだ完全に起きていない頭が
少しずつ覚醒し始める。
と、同時に昨夜の一連の出来事が
フラッシュバックされて
一瞬で顔が火照るーーー


「何、惚けてんの?
どう考えても僕しかいないじゃん。
これで真智子さんは僕のもの。
いやぁ~寒い時期はこれに限るんだよねぇ。
それでは遠慮なく……。」


と、いつもの調子で
その手を私の両ももの間に
挟んでくる慎平。


何だかキツネにつままれた様な
感覚に陥りながらも
彼のその手を拒むことなく
受け入れている私。


ダメだ。
頭が全然回らない。
今日、休みだしもう、一眠りしよ。
私は目を閉じた……。
















スリスリスリスリスリ……。


挟まっていた手がもぞもぞと
動き出す。


次第にその手は私のお尻の方へと……






ガバッ!





「調子に乗るんじゃないわよっ!
こんのぉ……」


ベッドの上に起き上がり
威勢良く言おうとしたものの
そこから先の言葉が続かない。


「この……の続きはなに?
もしかしてまだ僕は
真智子さんにとってエロホームレスなの?」


そう言いながら
慎平も顔をひょこっと上げて
私の顔をじっと見いる。


「この……
このぉ…………エロ彼氏がっ!」


「よっしゃぁ!
今、僕のこと彼氏って言ったよね?
晴れてカレカノになった訳だ。
では早速……」


不意に腕を引っ張られ簡単に慎平の
胸に倒れ込んだ。


そして、ぎゅう~っと抱きしめられると


「今日は僕がいっぱい温めてあげるから、
覚悟してーーー」


「きゃっ……ん、んっ……。」


一月も半ばと言うのに
うちには当分、暖房は必要ないらしい。
















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