12 love storys
「お前みたいな暗い女、誰が付き合うかよ。
たまたま、修学旅行の班が一緒だから喋ってやってただけだろうが。勘違いすんなよな。
頼むから二度と声掛けんなよ。いい迷惑だっつーの。……気持ち悪い。」


藤井くんは、そう言うと私が差し出したチョコの箱を手荒く奪い、私に向けて叩きつけるように投げるとその場を去っていった。


反射神経の良くない私は当然、受け止める事も出来なくて、無惨にも人生初の手作りトリュフはコロコロと校庭の片隅に転がっていった。


作ったトリュフは全部で20個。その中から特に綺麗なものを5個選んで、小さな金色の箱に詰めると赤いリボンを掛け、そしてメッセージカードを添えた。



ーーーずっと、好きでした


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