12 love storys
「お盆休み、棚橋さんはどうするの?」


今日は課での飲み会。
毎月の始めに先月の打ち上げとして
飲み会が開かれるのだ。


その席で、例の爽やかなイケメンの先輩
山下さんが私に聞いてきた。


「うーん、特に予定ないですよ。
実家も近いのでちょくちょく帰ってますし
これと言ったプラン全くないです。」


さりげなく、
課長の方を見ながら言ってみるも
全く見向きもされない。


課長は別の男性社員と何やら
難しげな話をしていて
私と山下さんの話なんて
全く聞いてないようだった。


「そうなんだ。
じゃあさ、何人かで海に行って
バーベキューでもしようかって
話があるんだけど、棚橋さんもどう?」


「えっ、海でバーベキューですか?」


「そう。俺と後、同期の奴等とで
行くんだけどみんな、彼女持ちでさ。
俺、今、フリーなんだ。
それで棚橋さんどうかな……って。」








えっ……。
他の人はみんなカップルなんだよね?
じゃぁ、それって私……。


「前から棚橋さん可愛いなって……
俺とじゃやだ?」


「やだ……ってことはないんですけど……。」


「じゃ、決まりってことで。」


「えっ、いや、その……。」













「山下くん、申し訳ないがその話
断らせて貰う。」


いつの間にか私と山下さんの間に
課長が割って入ってきた。









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