上司のヒミツと私のウソ
第5章 嵐を呼ぶ再会 Miserable love triangle
週末、母から手紙が届いた。
アパートの玄関の集合ポストに入っていた、白い味気ない封筒。あまり上手ではないクネクネした字で、表に私の名前と住所が書いてある。
今のアパートに移ってから、住所も電話番号も知らせていないはずだから、おそらくミサコちゃんに聞いたのだろう。
母から手紙をもらうのは、たぶんはじめてだ。
筆無精の母が手紙を書くなんて、と少し焦った。ひょっとしてなにか悪い知らせだろうか、と。
手紙を読んだあと、私はぼんやりと部屋の天井をみつめ、はたしてそれが悪い知らせだったのか良い知らせだったのか考えてみた。答えは出なかった。
私の両親は、「エーデルワイス」という小さな洋食屋を営んでいる。