上司のヒミツと私のウソ
約二時間の会議が終わったあと、私と矢神は企画部にもどり会議で出された宿題について話し合い、そのあとも仕事を続けていたのだけれど、私はすっかり自信喪失してしまっていたのだ。
「時間あるか?」
会社のビルを出たところで、ふいに矢神が意味不明なことをいった。
目で問い返す私を無視して、矢神は腕時計を見た。
「ちょっと『あすなろ』に寄っていくか」
私は聞き違えたのかとおもい、やっぱり無言で矢神を見ていた。
それに気づくと、矢神は怒ったように「行くのか行かないのかどっちなんだ」と早口でまくしたてた。
「……行きます」
私のふにゃふにゃした返事を聞くと、矢神はさっさと私の前を歩き出した。
小走りに追いかけながら、私はまだ信じられないおもいで大股で歩いていく矢神の背中を見た。
「時間あるか?」
会社のビルを出たところで、ふいに矢神が意味不明なことをいった。
目で問い返す私を無視して、矢神は腕時計を見た。
「ちょっと『あすなろ』に寄っていくか」
私は聞き違えたのかとおもい、やっぱり無言で矢神を見ていた。
それに気づくと、矢神は怒ったように「行くのか行かないのかどっちなんだ」と早口でまくしたてた。
「……行きます」
私のふにゃふにゃした返事を聞くと、矢神はさっさと私の前を歩き出した。
小走りに追いかけながら、私はまだ信じられないおもいで大股で歩いていく矢神の背中を見た。