上司のヒミツと私のウソ
「こんなもの集めて、どうするつもりだ」
西森が必死になればなるほど、腹が立った。
あっけらかんと笑ってみせるその裏で、ひそかに本間なんかと手を組んでこそこそと計画を進めていたのだ。
西森がかつて俺を騙した大嘘つきだということを、すっかり忘れていた。
「仕事をして、なにが悪いんですか」
意を決したように、西森は堂々と開き直った。
「なにもしないよりはいいじゃないですか。フレーバーティーが中止になって、急に時間が空いて……ただ待ってるより、何かするほうがいい。仕事に集中していれば、よけいなこと考えなくてすむから」
「よけいなこと?」
西森の表情がわずかに歪む。視線を落として、黙りこむ。
「企画は中止になったんだぞ。あきらめろ」
「まだ、わからないじゃないですか」
興奮を抑えているためか、西森の声が低く震えている。
「どうしてあきらめろなんていうんですか。『一期一会』のときは、最後まであきらめなかったのに。私は、チャンスがある限り、最後まで絶対にあきらめたくありません」
西森の口から『一期一会』の名が出たとたん、いらっとした。
西森が必死になればなるほど、腹が立った。
あっけらかんと笑ってみせるその裏で、ひそかに本間なんかと手を組んでこそこそと計画を進めていたのだ。
西森がかつて俺を騙した大嘘つきだということを、すっかり忘れていた。
「仕事をして、なにが悪いんですか」
意を決したように、西森は堂々と開き直った。
「なにもしないよりはいいじゃないですか。フレーバーティーが中止になって、急に時間が空いて……ただ待ってるより、何かするほうがいい。仕事に集中していれば、よけいなこと考えなくてすむから」
「よけいなこと?」
西森の表情がわずかに歪む。視線を落として、黙りこむ。
「企画は中止になったんだぞ。あきらめろ」
「まだ、わからないじゃないですか」
興奮を抑えているためか、西森の声が低く震えている。
「どうしてあきらめろなんていうんですか。『一期一会』のときは、最後まであきらめなかったのに。私は、チャンスがある限り、最後まで絶対にあきらめたくありません」
西森の口から『一期一会』の名が出たとたん、いらっとした。