上司のヒミツと私のウソ
「関係ない、なんていうなよ。もともと『キャラメルミルクティー』に関しては、開発主導で進めていたんだからな。俺たちだって、このままフレーバーティーシリーズをお蔵入りにはしたくないとおもってるんだ。おまえが俺を信用していようといまいと、知る権利はあるとおもうがな」


 いつになく真剣な顔付きと口調で、本間は一気にたたみかけてきた。日頃はへらへら笑って調子のいいことばかりいっているくせに、侮れない奴だ。


「あなたを信用していないわけじゃありません」


 むしろ本間のことは買っている。

 だからこそ、西森と組ませたくなかったのだ。


「プロジェクトをあきらめたわけでもありません。ただ、復活させるには条件をクリアしなくてはならないのです」

「条件?」

「まだ誰も味わったことのないフレーバーティーを売り出す。それが、会社が出した条件です」

「……なんと」


 ほとんど不可能とおもわれる条件だった。
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