上司のヒミツと私のウソ
嘘をつき続ける西森と、これからもずっと付き合っていかねばならないのかとおもうと、煮えかえるような憤りが胸の奥に食いこんでいった。
「課長、大変です」
西森と入れ違いに、安田が緊張した面持ちで倉庫のドアを開けた。声がうわずっている。いつも冷静な安田らしくない。
「美舟園の坂本さんが、『一期一会』のCM出演を断ってこられました。それだけじゃありません。広告制作には今後一切協力できない、と。理由を聞いても『気が変わった』とおっしゃるばかりで。どうしましょう。もう撮影スケジュールも組んでいるのに」
最悪のタイミングで、最悪の知らせがこれだ。
宣伝企画課は騒然としていた。
席にもどると、佐野が蒼白な顔でかけよってきた。うわずった声で、「いったい、どういうことなんでしょう」と不安を露わにする。
「課長、大変です」
西森と入れ違いに、安田が緊張した面持ちで倉庫のドアを開けた。声がうわずっている。いつも冷静な安田らしくない。
「美舟園の坂本さんが、『一期一会』のCM出演を断ってこられました。それだけじゃありません。広告制作には今後一切協力できない、と。理由を聞いても『気が変わった』とおっしゃるばかりで。どうしましょう。もう撮影スケジュールも組んでいるのに」
最悪のタイミングで、最悪の知らせがこれだ。
宣伝企画課は騒然としていた。
席にもどると、佐野が蒼白な顔でかけよってきた。うわずった声で、「いったい、どういうことなんでしょう」と不安を露わにする。