上司のヒミツと私のウソ
チラシには居酒屋メニューがずらりと並んでいる。飲み放題には興味がなかったけれど、「本日限り全メニュー半額」という文字に吸い寄せられる。お酒は飲めないけど居酒屋メニューは大好きだ。
行ってみると、チラシの地図がなかったら気づかないほど小さな店だった。白い漆喰の壁に格子の引き戸、「あすなろ」という店の名前を書いた木の看板も、小さくて目立たない。でも、感じは悪くなかった。
引き戸を開けて店の中に入ると、「いらっしゃい」とすぐに威勢のいい声が飛んできた。
店の中も狭い。四人掛けと二人掛けの木のテーブルがそれぞれふたつずつ並び、あとはカウンター席があるだけ。
雰囲気はよかった。和紙を使った照明は明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい仄かな灯りを落としているし、木製のテーブルや椅子も落ち着いた色合いだ。
「お好きな席にどうぞ」
カウンターの中から、うぐいす色のエプロンをつけた三十前後の女性がほほえみかける。
行ってみると、チラシの地図がなかったら気づかないほど小さな店だった。白い漆喰の壁に格子の引き戸、「あすなろ」という店の名前を書いた木の看板も、小さくて目立たない。でも、感じは悪くなかった。
引き戸を開けて店の中に入ると、「いらっしゃい」とすぐに威勢のいい声が飛んできた。
店の中も狭い。四人掛けと二人掛けの木のテーブルがそれぞれふたつずつ並び、あとはカウンター席があるだけ。
雰囲気はよかった。和紙を使った照明は明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい仄かな灯りを落としているし、木製のテーブルや椅子も落ち着いた色合いだ。
「お好きな席にどうぞ」
カウンターの中から、うぐいす色のエプロンをつけた三十前後の女性がほほえみかける。