上司のヒミツと私のウソ
安田がデスクでコーヒーを飲んでいた。
飲み物は各自で入れることになっていて、安田は一日に五、六杯はコーヒーを入れて飲む。今飲んでいるのは本日の一杯目。もちろんブラック。
「安田はいつも課長のこと信じてるよね」
「はあ?」
コーヒーカップを手にしたまま、安田はおもいきり顔をしかめた。
「どうして?」
真面目に尋ねる私を、安田は熱でもあるんじゃないかといいたそうな顔で見ていたけれど、コーヒーカップを置いて「だからいったでしょ。経験と実績だって」と、あの腹立たしい回答を繰り返した。
「課長の行動には、いつもなにか理由があるんだよね。あとでわかることなんだけど。それに、あきらめ悪いからね、あのひと。たとえ旭川に飛ばされても、たぶんそのうちもどってくるだろうなとおもった」
腹立たしいけど、やっぱり安田にはかなわない。
パソコンを起動して、すぐにメールを一通書いて送信した。それから屋上へ向かった。
もうすぐ八月が終わる。
飲み物は各自で入れることになっていて、安田は一日に五、六杯はコーヒーを入れて飲む。今飲んでいるのは本日の一杯目。もちろんブラック。
「安田はいつも課長のこと信じてるよね」
「はあ?」
コーヒーカップを手にしたまま、安田はおもいきり顔をしかめた。
「どうして?」
真面目に尋ねる私を、安田は熱でもあるんじゃないかといいたそうな顔で見ていたけれど、コーヒーカップを置いて「だからいったでしょ。経験と実績だって」と、あの腹立たしい回答を繰り返した。
「課長の行動には、いつもなにか理由があるんだよね。あとでわかることなんだけど。それに、あきらめ悪いからね、あのひと。たとえ旭川に飛ばされても、たぶんそのうちもどってくるだろうなとおもった」
腹立たしいけど、やっぱり安田にはかなわない。
パソコンを起動して、すぐにメールを一通書いて送信した。それから屋上へ向かった。
もうすぐ八月が終わる。