上司のヒミツと私のウソ
だが、少し重たそうに引きずる足の運びや、肩から腕にかけて滲み出ている気怠さに疲れが表れているのは明らかだった。
「禁煙してるんですけど」
俺の手に挟まれている煙草から細く青白い煙がのぼるのを目で追って、西森は露骨に顔をしかめた。
「昨日のミーティングに遅れた理由はなんだ?」
西森は眉間と鼻の上に皺をよせて、ますます嫌そうな顔をした。今さらなんのために聞くのかとでもいいたそうだ。
「時間を間違えたんです」
「見え透いた嘘をつくな。『RED』の定例ミーティングは毎週水曜の十時からと決まってる。間違えるはずないだろ」
「うっかり忘れて……」
俺は煙草を咥えたまま西森に向かって直進し、これ以上近づけないほどの距離まで詰め寄った。
「正直にいわないと『RED』のメンバーから外す」
「禁煙してるんですけど」
俺の手に挟まれている煙草から細く青白い煙がのぼるのを目で追って、西森は露骨に顔をしかめた。
「昨日のミーティングに遅れた理由はなんだ?」
西森は眉間と鼻の上に皺をよせて、ますます嫌そうな顔をした。今さらなんのために聞くのかとでもいいたそうだ。
「時間を間違えたんです」
「見え透いた嘘をつくな。『RED』の定例ミーティングは毎週水曜の十時からと決まってる。間違えるはずないだろ」
「うっかり忘れて……」
俺は煙草を咥えたまま西森に向かって直進し、これ以上近づけないほどの距離まで詰め寄った。
「正直にいわないと『RED』のメンバーから外す」