上司のヒミツと私のウソ
頻繁に鳴る電話をとらずにすんでいる分、手もとの仕事がはかどっていることは間違いない。
彼は「なにが?」と白々しくとぼけたが、定時を過ぎても席を離れようとしなかった。和田くんも同様で、さりげなくこちらのようすをうかがっている。
午後七時過ぎに、外出していた佐野くんが帰ってきた。矢神に報告をすませると、すたすたと席につき、むっつりした顔でメールチェックをしながら「なにか手伝うことは?」と当たり前のように聞いた。
私と安田は顔を見合わせた。安田は意地悪そうな笑みを浮かべて、「どうしようかなぁー」ともったいぶったいい方をした。
三人に手伝ってもらい、予定より早く仕事が終わった。それでも午後十時近い時刻になっていた。
その頃には、全身を覆う寒気はいっそうひどくなり、呼吸するだけで息苦しいほど体調は悪化していた。
明日の用意を調えて帰り支度をし、化粧室に行くと、販売企画課の秋田さんがいた。
「お疲れさま」
『RED』のメンバーでもある秋田さんに先に声をかけられ、私はあわてて「お疲れさまです」といった。
彼は「なにが?」と白々しくとぼけたが、定時を過ぎても席を離れようとしなかった。和田くんも同様で、さりげなくこちらのようすをうかがっている。
午後七時過ぎに、外出していた佐野くんが帰ってきた。矢神に報告をすませると、すたすたと席につき、むっつりした顔でメールチェックをしながら「なにか手伝うことは?」と当たり前のように聞いた。
私と安田は顔を見合わせた。安田は意地悪そうな笑みを浮かべて、「どうしようかなぁー」ともったいぶったいい方をした。
三人に手伝ってもらい、予定より早く仕事が終わった。それでも午後十時近い時刻になっていた。
その頃には、全身を覆う寒気はいっそうひどくなり、呼吸するだけで息苦しいほど体調は悪化していた。
明日の用意を調えて帰り支度をし、化粧室に行くと、販売企画課の秋田さんがいた。
「お疲れさま」
『RED』のメンバーでもある秋田さんに先に声をかけられ、私はあわてて「お疲れさまです」といった。