藍い月と…
正体
それからアタシ達は誰1人口を
開く事は無かった
そんな沈黙の中、ピロンッという
この場に似つかわしくない
機械音が鳴り響いた
その聞き慣れた音はアタシのモノで
『――ごめん、アタシ』
そう言って部屋を出る
アタシは未だに鳴り響く
携帯を開いて通話を押す
『――もしもし、アタシ』
「依琉、解ったぞ」
アタシに電話を掛けて来たのは
勿論、弦静さんで、険しい口調をしていた
もしかすると悪い情報が
上がったのかも知れない
弦静さんが険しい口調をする時は
大抵そういう知らせの時だ
『どうだった?』
「ぁあ、空良って奴には
特に注意しろよ依琉」
どういう事?
「空良って奴はお前を、
依琉を狙ってる」