SECRET LOVE
「ユンファ来るまで、待つか」
年配の男の人が笑ってそう言った
あの…名前全然わかんないんですけど~…
「そういや、自己紹介、忘れてたか」
今頃になって、その男性が言った
おっそっ!
「アハハ…」
渇いた声で、愛想笑いした
顔、引き攣ってそうでヤダ
「彼はコンサートプロデューサーの、新巻さん
ライブコンサート全体を管理して、準備から終了までの全ての責任者だ」
藤堂さんがそう言って、新巻さんを紹介してくれた
「宜しく」
め、めっちゃ偉い人だったのか…
「うちのコンサートはいつも新巻さんだよ」
ジョンミンが素敵な笑顔でそう付け加えてくれた
フムフムなるほど
「お願いします」
私もジョンミンにつられて笑顔で礼をした
心がポカポカするなぁ…
「新巻さんの隣にいるのが、舞台監督の堀池さん
舞台演出のTAKAと連動して、コンサートの現場の進行を統括してる
リハーサルから本番までのスケジュールを管理して、 PA(音響)や照明に指示を与えたり、環境調整や、トラブル対処担当だ
TAKAは知ってるよね?
今日は他の用件でいないけど、次回からはミーティングに参加するから」
「宜しくね」
見た目は若く見えるけど、凄く業界人って感じの人だな…
「TAKAさん、さっきあっちのミーティングルームでいたよ」
ソンミンが呟いて、藤堂さんが苦笑いした
私はそれが可笑しくて、噴き出しそうになった