SECRET LOVE

「別に…いい、ですけど…」



心臓が高鳴って、破裂しそう


声が奮えそうで、頑張って堪える



「……用件は?」



……………は?




「………え?


ああ、さっき、電話切れたから
打ち合わせ、朝方でもいいですよ」


ってか、あと数時間もしたら、朝方ですけどね



「ああ」


ああ?

まさか、忘れてたのではないでしょうね?



それとも、怒ってんの?


「あ、無理ならいいですよ」

藤堂さん、急に仕事入ったみたいって言ってたしな



「………」

私の声に黙り込んだユンファに、私も一緒に黙り込む



…………なんか、嫌な空気


「……いや、じゃあ


4時くらいに、迎えに行くよ」



………………は?



「い、いいですよ!場所言ってくれたら、行きますから」




「……そう」

心ここにあらずな返事に戸惑う



「…うん」


やだな、何かヤバい




「じゃあ、六本木の帝人ホテルまで来て、電話して」

………ホ、ホテルですか




「…わかりました……


何か必要なもの、ありますか?」



ホテルと聞いて、何だか頭の中が真っ白になる


いや、仕事だけどもさ!



「どうして、敬語?」



……………は?




常に唐突なユンファの言葉に、返事を返せない



貴方達もテレビじゃ常に敬語じゃないですか
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