SECRET LOVE


その時やっとハッとして我に返った



気づくと、私の洋服は一枚枕元に吹き飛んでいて、

慌ててシーツに包まった





何だ!?



何だあっ!?




顔から火が出そうなくらいに、カァッと血の気が上がって来て、私はシーツの中で、一生懸命状況を把握しようとした




「…はい」


ユンファといえば、うるさいルームコールに
思いっ切り無愛想に出ていた



「ア~?行かない」


そう言って、ガチャン、と電話を切った


瞬間、私の身体がビクンッと揺れて、

心臓は相変わらず壊れそうなくらいにバクバクと音をたてていた





「…………」


シーンと気持ち悪いくらい、静けさが部屋を支配して


私は恐くて(いろんな意味で)シーツの中で様子を伺っていた




何?どうなってんの?



「イクゥ」







名前呼ばないで!!


ドキドキするから!!!



一瞬、泉のドギーマギーと言っていたメールが頭をかすった




本当にドギーマギーが起きたよ!!!




「イクゥ?」




何だ!その声!!

何でそんな甘ったるい声で呼ぶの!?






てゆうか!?


私、さっき何してた!?





もうちょっとで…………











ぎゃあ!!






頭の中で、まるで再現VTRみたいに
先ほどの営みがグルグルと回る



ユンファがどういうつもりなのかわからないけど、


こんなの、絶対にマズいよ!!






私、本気になってしまう(というか、多分もうなってそう)




「イクゥ、怒ってるの?」



……………!!






何を呑気なっ…………!







その時

ハッ、とした




そっか、やっぱり





芸能人だから、モテるし、こんな事って





よくある事なのかな?






こんなにテンパってシーツにグルグル巻きになって



私って、勘違い痛い子?





そんな事を考えていたら、急にさっきまでとはちがう羞恥心にみまわれた





恥ずかしい………






身体が汗ばみ、嫌な汗が出てきた



どんな顔して出たらいいんだ…




私はシーツの中で、酸欠になりそうになりながら、

フーハー

フーハー



と、ドギーマギーしていた



色気ないけど、要するに


完全に混乱していたわけで



「イクゥ、いつまでそうしてるつもり?」


何だか馬鹿にしたような、笑いを堪えたみたいな声がして、



私はそれで余計恥ずかしくなって、シーツから出れずにいた





そして服返して…



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