俺様の熟した恋の実~10years~
夜の8時半を回った頃。
おもむろに雪花がテレビのチャンネルを変えた。
「せっちゃん覚えててくれた感じ!?」
「うん。あんなにメールと電話きたら嫌でも覚えるわ」
「冷たいなぁ~!でも俺嬉しい♪」
「あっそ……」
「今からカイさんのドラマ入るんだよね!楽しみ~♪」
冷たく言う雪花と、テンションアゲアゲの未空ちゃん。
羽音は眠たそうに目を擦りながら、俺の隣でペタンと座ってる。
「眠いの?」
「眠たくない……まだ大丈夫」
「大丈夫じゃなさそーなんだけど。今素直になったら肩貸してやる」
「………眠い」
「ん。おいで」
俺の肩にコテンと頭を置いて、トローンとした目でテレビを見てる。
つーか、こんな時間に眠いとかいっつも何時に寝てんだよ……。