俺様の熟した恋の実~10years~
焦らされるのは好きですか?
【羽音side】
窓が白く曇る寒い教室。
隣の席で未空は、ファッション雑誌のバレンタイン特集を読んでる。
今年は涼雅にあげたいなっ♪
だけど、残酷なことにクラスの女の子達から嫌でも聞こえてくる声。
「やっぱ涼雅にあげるよねーっ♪」
「もちろん!今年頑張っちゃおっかな!」
「え~!ずるい!あたしも~♪」
あたしも~♪じゃないから!
涼雅の彼女はあたしなのに~……!
「まぁ、そうイライラしなさんなっ。モテモテでいいじゃん♪」
「えっ!じゃあ未空は許せるの~……咲夜くんがあんなだったら」
「モデルの彼女なら馴れるって。去年はチョコトラック2台分らしいし」
「それすごいじゃん……。今年もすごいんだろうなぁ~」
「まっ!でも一番はうちらだから!自信もとーよっ」
ここは、ポジティブな未空に便乗しよう。
バレンタインは誰にも負けないんだから!!