俺様の熟した恋の実~10years~
待ちに待った放課後。
ピンクのマフラーを巻いて俺をかわいらしく見詰める羽音。
この時期に屋上選ぶとか寒すぎっ!
「待たせてごめんね?あたしのチョコ待ってたしょ?」
「別に待ってねーよ。俺んとこ来るの遅いとは思ってたけど…」
「え?そうなの?……咲夜くんから聞いたんだけどな…」
「いつものアイツの冗談に決まってんだろ。本気にすんな」
「うっ、いったーい!」
羽音にしたデコピンは俺の照れ隠し。
咲夜も羽音に余計なこと言うなよ!
涙目になりながら額を押さえる。
「そんなに意地悪するならチョコあげないんだからぁ~……」
「羽音からもらわなくても他の奴らからもらえてるし~」
「……じゃあ同じクラスの鈴木くんにあげてくる」
「ダーメ。お前のチョコは俺だけのモノ」
「りょーがー!」
俺にバフッと抱きつく。
つーか鈴木くんって誰だよ!?