俺様の熟した恋の実~10years~



羽音がカバンから出したのは、赤とピンクのリボンが付いた小さめの箱。


ラッピングを見たら羽音の器用さがわかった。


「このラッピング、涼雅だけ特別ねっ。はい、どーぞ」

「ん、サンキュ」

「あっ、涼雅!かがんで?」

「え?なんで?」

「いいから、いいから!」


言われた通りかがんでみる。


俺と羽音の目線がちょうど同じ。


目が合うと羽音は手で俺の頬を包んで、唇に優しく触れた。


羽音からのキス。


「そ、その~……待たせてごめんなさい、みたいな?えっとー…忘れてっ!」

「ヤダ。忘れない。もっかいして?」

「できないよ!」

「俺、羽音のチョコかなり待ってたんだけどなぁ~」


泣きそうな顔で俺を見上げる羽音は最高にかわいい。


バレンタイン、お前のおかげで好きになったかも。


来年も期待する……。


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