俺様の熟した恋の実~10years~
特に会話もなく歩く道。
ってか、家遠くね!?
「羽音んち徒歩何分?」
「20分。えっ!もしかして疲れた?」
「疲れねーよ。羽音より体力あるし」
「男の子だもんね~」
ふわっと笑った顔がかわいい。
この笑顔が前からずっと大好きだった。
「お前変わってねーな。ガキくさい顔」
「うるさい!相変わらず意地悪!」
「意地悪が、わざわざ家まで送るかよ」
「べっ、別に頼んだわけじゃないもん。……涼雅くんが勝手に……」
「もう少しくらい、かわいくなれバーカ!」
俺が勝手に送ってる。
なのに、なかなか言い出せない自分にイライラするし。
たった2文字の『好き』が言えない。