俺様の熟した恋の実~10years~



次の日、あたしは授業をサボって雪花ちゃんと屋上へ来た。


梅雨の季節に珍しい快晴。


「んーっ!空キレイだねーっ」

「キレイね……。ねぇ、なんでいきなりあたしを呼んだの?」

「……ずっとこもってたら息詰まっちゃうよ?少し気持ち楽にしないと!」

「あたしは大丈夫だって……」

「強がんないで!」


あたしが言うと、雪花ちゃんの瞳が揺れた。


キレイな瞳が潤ってく。


「少しは人を頼ってよ。我慢してちゃダメだよ?」

「頼ったら……迷惑じゃない…」

「そんなことない!今度はあたしが雪花ちゃんを助けるから!」

「羽音………ありがとう…!」


雪花ちゃんはあたしの胸の中で崩れ落ちた。


溜めてたモノ全部吐き出すように泣いた。


初めてあたしに弱さを見せてくれたね。


ありがとう…。


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