俺様の熟した恋の実~10years~
家に帰ると、ママがリビングでパソコンを開いていた。
この時間に帰ってるなんて珍しいこともあるんだね。
「あら、おかえり~羽音!」
「ただいま!ママ、こんな時間にどうしたの?
」
「今日は早く仕事終わらして来たの」
「その資料の山は…?」
「あぁ!これはちょっと調べものよっ」
ママはテーブルに置かれた資料の山を、ファイルに詰め込んだ。
見ちゃいけないのかな……?
「そうだ!羽音。帰りに美味しいケーキ屋さんでケーキ買って来たの!」
「えー!食べたい!」
「じゃあ、一緒に食べよっか♪」
「ケーキとか久しぶりー!」
「誕生日以来よね~」
なんだか、ママの気前が良すぎて逆に怖い。
でもそんなことケーキの美味しさで、すぐに忘れてしまった。