俺様の熟した恋の実~10years~



点はかなり押されたものの、サッカー部3人のおかげでどうにか点差は広げない。


「りょーがー!きめちゃえー!」

「そーするわっ!」


咲夜の長距離パスで俺がゴール。


はぁ~……心臓に悪いけど1点差でギリギリ勝った……。


「あー……キャプテンなのに負けちゃった。意味ねーじゃんか!」

「だから言ったろ。羽音は渡さないって」

「カッコ悪いなぁ~……。ははっ!でもありがとな」

「別に。ただ、羽音には関わんな」

「厳しい!」


サッカー部主将に苦戦して勝ったものの、膝を豪快に擦りむいて血まみれ。


「……いっ、た…」

「涼雅。お疲れ様でした!手当て……しよっか?」

「羽音のせいだからな。責任取れよ」

「ごめんね?でも……ありがとう。本気で勝ってくれて」


申し訳なさそうに笑う羽音に血だらけの膝を出す。


グランドの芝生にペタンと座り手当てしてくれる羽音の髪を撫でた。


あぁ……ほんとに勝ててよかった。


こんなに好きなんだ、羽音のこと。


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