俺様の熟した恋の実~10years~
羽音の話が終わったところで、手からマイクを取り上げる。
「今日は……コイツの誕生日なんで……おめでと」
ほんとはもっと長く話す予定だった。
でも、ここ立ったら何話していいか分かんないしまともなこと言えない。
せめてコレで許してな?
俺はブレザーのポケットから小箱を出す。
「ん。……誕生日おめでと」
「へ?……え、ヤバイ……どうしよっ」
「すげーアホ面。早く受け取れ」
「あ、ありがと!」
小箱を手に持つも、ステージを右往左往。
びっくりするの当たり前か。
本人も誕生日忘れてたみてーだし。
でも、その顔が見たかった。
涙をためて笑顔を精一杯作ってるその顔。