俺様の熟した恋の実~10years~
【羽音side】
ヤバイです。
あたしの目の前には珍しく真っ赤な顔の涼雅。
あたしの手の中には、かわいいピンクの小箱。
そうだ……今日はあたしの誕生日だ。
「サプライズバースデーに拍手!!」
歓声が起こる会場から、さらに拍手が送られてあたしの目から涙が溢れる。
あぁ……もう。
止まんないよ……涼雅…。
せっかく、かわいく見せようとしてメイク頑張ったのに……
嬉しすぎて止まんないよ……。
「泣いてんじゃねぇよバカ。化粧ボロボロになるぞ?」
「うっ……んっ……涼雅のせいだからぁっ!」
「ははっ!目真っ黒!かわいくねー!」
「うるさいっー!マスカラボロボロ~…」
ステージ上で泣くとか恥ずかしい!
あたしはカーディガンで涙を拭ってる間に審査が終わったみたい。
涼雅はあたしの背中を優しく擦ってくれる。