俺様の熟した恋の実~10years~



カラフルなスポットライトとともに、歓声が益々大きくなる。


「第一回ベストカップル優勝は~………涼雅&羽音カップルー!おめでとー!」


拍手と歓声を浴びてステージで呆然とするあたしと涼雅。


え………


なんだか夢みたい……。


あたしほんとに優勝できたの!?


「おめでとうございます!幸せそうな彼女さんから一言!」

「えっ!……あ、そのっ…とっても嬉しいです」

「では、彼氏さんからも!」

「羽音が喜んでるんで、いいと思います」


冷静な涼雅に対してあたしは涙が止まらない。


泣きすぎて目が痛いよ……。


旅行券を涼雅が受け取り二人でステージ裏へ行く。


「りょーがー……目痛いっ」

「見せてみ?擦るからだろ」


あたしの顔をぐいっと上げて距離が一気に縮まる。


あ……息が触れる距離。


ドキドキと心音が聞こえるほど。


そのまま涼雅の顔がゆっくり近づいてきた。


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