俺様の熟した恋の実~10years~
軽く優しく短く………
唇が触れた。
あたしはプレゼントの小箱を手のひらに握りしめたまま俯く。
「あ、そうだ。それ開けてみれば?」
「うん!涼雅のプレゼントは何かな~」
かわいらしいピンクのリボンをほどくと、シルバーのピアスが。
「あ……ピアスだ…。これ…かわいい~」
「つーか羽音気づけよ。俺のピアス見れば分かるだろ」
「涼雅のピアス?ちょっと屈んでよ!」
「はいはい」
涼雅の左耳を見れば、あたしと同じ形のシルバーのピアス。
至ってシンプルなピアスだけどペアルックってすごく嬉しい。
「ありがとう涼雅♪あたしもつける!」
「鏡ないとできなくね?貸してみ」
「あ、うん………」
「ファーストピアスのまんまじゃん。………ほらできた」
「む~…見えない!」
あたしは右耳を人指し指で触る。
確かにあるリング状のピアスの感触。
幸せだな、あたし。