俺様の熟した恋の実~10years~
運命と永遠
【羽音side】
キレイな水色の寒空の下、あたしはマフラーをぐるぐる巻いて縮みながら帰る。
まだ秋なのに手がかじかむほど寒い。
「じゃあ、また明日ね。いつも送ってくれてありがとう涼雅」
「お前バカだから、変なヤツにすぐ着いてくタイプじゃん。危なかっしい」
「小学生じゃないんだから~!」
「うるせー。風邪引くからとっとと家帰れ」
涼雅があたしの右手を離す。
いつもそう。
また明日会えるって分かってるのに、この瞬間寂しくなる。
「……また明日な。あ、明日の朝数学の宿題写させて?」
「うん!数学頑張ろ~。バイバイ?」
「ん。バイバイ」
あたしは涼雅の背中に手を振る。
外は寒いはずなのに、涼雅と話せば何だかポカポカするんだ……。