俺様の熟した恋の実~10years~



キレイな秋晴れの土曜日。


目覚ましが鳴っても、起きる気配が全くナイ羽音。


「起きろ!羽音!」

「ん~……だって、今日は土曜日じゃ…」

「バカ。今日は土曜日講習だって」

「………はっ!忘れてたぁ~!」


土曜日講習は、テスト前に開かれる勉強会みたいなモン。


すっかり目が覚めた羽音と早めに家を出た。



「ふぁ~……んー……眠たい」


目を擦る羽音の手を引っ張って、通学路を歩く。


「涼雅は眠たくないの?」

「ねみーけど、俺バカだから講習受けないとやってけねぇわ」

「そっかぁ…」

「納得すんな!イジメるよ?」

「ご、ごめんなさい!」


焦った羽音は俺の隣にぴったりくっつく。


俺から見える横顔で、色白の肌にピンクのマフラーはすごく似合う。


かわいい………。


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