俺様の熟した恋の実~10years~
遠くの空を見ながら羽音はポツリと言葉を落とした。
「運命とか永遠ってないのかな………」
「俺はあると思う」
「らしくないねっ。涼雅がそんなこと言うなんて」
「別にー……ただそう思っただけ」
運命とか永遠とか………
そんかモンなかったから、10年間片思いしてた初恋のヤツと会うはずない。
それから、進展して付き合って同棲するなんて。
だから俺はあると思う。
「長話付き合わせちゃってごめんね?」
「あーすっげー寒い!俺が風邪引いたらお仕置きなっ」
「えっ!ごめんなさいー!でも……聞いてくれてありがとう」
「話してくれてありがと」
寒空の下、公園を後にした。
いつか家族で公園に行こうな。
俺と羽音と……その子供で。