俺様の熟した恋の実~10years~
前髪を直して、キレイなストレートの黒髪に戻った羽音。
白のワンピースにコートは色白の羽音にはぴったりだ。
「涼雅。電車でどれくらいかかるの?」
「ん~……3時間くらいかな」
「だと思って、お菓子たくさん持って来たよ~♪」
「遠足かよ」
袋にたくさんのお菓子を詰めてルンルン気分。
いつ、そんなに買ってきたんだか……。
電車に乗って3時間はかなり暇だなぁ~。
ちゃんとケータイの充電して来ればよかったかも。
なんて思ってたけど、電車に乗ればケータイ何ていじる暇さえナイ。
「それでね~……って涼雅聞いてる?」
「ん、あぁ。ちゃんと聞いてる。つーか、そんな話してて眠くない?」
「眠たくないよー!楽しみだもん♪」
「俺はすっげー眠たい」
「あたしとお話したくないの~?」
隣に座る羽音は窓を眺めながら、拗ねてしまう。
ほんとにイジメたくなる。
頬をぎゅっと軽くつまむと、ニコッと笑ってまた話出す。