俺様の熟した恋の実~10years~
Congratulations!
【羽音side】
まだまだ寒い日が続く中、季節は春になろうとしていた。
昼休みの屋上へ続く昇降口もどこか静か。
3年生は卒業式1週間前で学校に来てないせいかな?
2月後半と言えど、さすがにまだ寒いから屋上へは出ない。
「あと1ヶ月くらいで春休みだよ~。雪花ちゃん」
「そうね。長期休みは仕事を一気に詰め込まれるから、休んだ気しないけど」
苦笑してる雪花ちゃんの横顔は相変わらず美人で。
長いまつ毛に大きな瞳が揺れる。
「雪花ちゃん仕事は順調~?」
「おかげさまで。再来年まで予定が入ってるからね」
「さっ、再来年!?」
びっくりするあたしを見て雪花ちゃんはクスッと笑う。
こんなに美人さんだもん。
仕事もびっちりで当たり前だよ。