俺様の熟した恋の実~10years~
【涼雅side】
ボケーっとして部屋のテレビを見ていると小さなノック音。
スズか、母さんだろ……。
「はーい?」
「ただいま~…涼雅」
「羽音じゃん!」
いつの間にか帰って来てた羽音は、ピンクの部屋着姿で髪が少し湿ってる。
風呂上がりのまま真っ直ぐ来た感じか。
俺の隣にペタンと座って、ぐしゃぐしゃの紙を握りしめてる。
「あのね、ママとお父さんと……お兄ちゃんに会って来たの」
「お兄ちゃん!?……今さら兄貴できてもなぁ?」
「うん……。でも、いい人だったよ」
「それはよかった」
人見知りな羽音がなつくったら相当いいヤツなんだろ。