俺様の熟した恋の実~10years~



耳を疑うような事実ってこのことか。


羽音の兄ちゃんが教育実習生!?


「マジかよ……。それって兄ちゃん気付いてんの?」

「多分、気付いてないよ~……。も~……」


頭を抱え込んで、階段の隅っこに座り込む。


とりあえず、教育実習生が羽音の兄貴だってバレたら紛らわしいことになるに違いない。


「ここは、俺と羽音だけの秘密にしておく」

「でも!バレちゃったら?どこからバレるか分かんないじゃん!」

「確かにそうだけど……。向こうは大人だぜ?ちゃんと隠してくれる」

「……そうかな?」


つい最近、兄貴になったヤツを信じろってゆうのが無理な話かもしれない。


でも今はそうするしかねぇよな……。


座り込む羽音の頭をくしゃっと撫でた。


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