俺様の熟した恋の実~10years~
この教育実習生が来てから、俺にとっては厄介だ。
咲夜のなだめ役はもちろん、一番は羽音の兄ちゃんであること。
なんか、めんどくせぇなぁ……。
「涼雅!」
「ん?……はい?」
ほら、ボケーっとしてたら松崎先生に当てられた……。
「………15?」
「聞いてないようで聞いてんじゃん!」
「当たり前っす」
この先生に教えてもらってれば数学得意になりそうだな。
次のテスト範囲はちょっと大丈夫そう………。
放課後、羽音と二人で乗る電車。
朝と違って夕方は座れる。
「りょーがー……今日ね、雪花ちゃん仕事で休みだった」
「退屈だったな」
「うん。つまんなかった……眠たい」
うとうとしてる羽音の頭を俺の肩に寄せた。
うん、かわいい。