俺様の熟した恋の実~10years~
キレイな黒の車に乗って来たのは、オシャレなカフェ。
はぁ~……幸せっ!
心の中のモヤモヤした部分が、だんだん軽くなってく気がした。
「おいしい~♪ほんっとに最高!」
「羽音が甘いの好きでよかったぁ~」
裕紀くんが持ってたケーキ食べ放題の券で、あたしは幸せ真っ最中!
お皿に山盛りのケーキを頬張る。
「それにしても何でケーキ食べ放題の券持ってたの?」
「あぁ~……元カノと行こうとして券取っといてたんだ。ま、別れたから意味ナシ!」
「そっか……。裕紀くん……もう食べないの?」
「ははっ、俺あんま甘いの得意じゃねぇから」
苦笑する裕紀くんからは、優しさが伝わってきた。
こんなに優しい人と別れる何て、元カノさんももったいないなぁ~。