俺様の熟した恋の実~10years~
【涼雅side】
薄暗く、人がいない公園のブランコを虚しくこぐ俺。
その隣で立ち乗りで思いっきりこぐ咲夜。
久しぶりに二人で帰って公園に寄り道。
「まぁ~なっ。俺にはお前らに何があったか知らんけどさ。仲良くしろってー!」
「テキトーだな……。はぁー……仲良くね」
「うわっ!涼雅がため息とかキモイ!」
「うるせー」って軽く舌打ちしながら言った。
星一つない空がさらに俺を虚しくさせる。
羽音が誰とどこに出掛けようが関係ない。
しかも、兄貴と出掛けんのに何で俺が口出ししてんだろ。
「嫉妬すんのも分かる。俺だって未空ちゃんに嫉妬してばっかだ」
「帰って来たら気まずいなぁ~……。何してんだよ俺ー……。」
「落ち込むなって!ほんとに涼雅らしくない!」
「ほんとさな」
大きくブランコをこいでみる。
羽音は今頃、兄ちゃんとデートですかっ……。
もう勝手にすればいい。