俺様の熟した恋の実~10years~



券と、羽音を交互に見てると面白そうに笑う。


俺にグイッと近寄って楽しそうに話し出した。


「あたしが何でも言うこと聞きますよ券!」

「何でも?例えば?」

「涼雅が水飲みたい!って言ったら、あたしが水取りに行く、みたいな」


へ~………


そっか。


何でも言うこと聞いてくれるんだ。


すっげーいい券作ったじゃん。



「じゃあ、早速使っていい?」

「うん!」


大きな目をキラキラさせて俺の顔を覗く。


そんな、羽音を俺の膝に座らせて後ろから抱きしめた。


こんなこと絶対に顔見てなんて言えねぇからさ。



「前みたいに……ずっと一緒にいよ?」


羽音の大きな瞳が揺れて、大きく頷いた。


笑った羽音にキスをする。


ずっと、ずっとこれからも……俺には羽音だけ。


大好きだから。


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