俺様の熟した恋の実~10years~
【羽音side】
涼雅にされたキスは久しぶりで、胸がキュンとなる。
笑いあってあたしは涼雅の膝の中に入った。
やっぱり落ち着く~………
涼雅の手の中に残る券はあと1枚。
「これも使う」
「うん、どうぞ」
「どーしよっかなぁー」
楽しそうに考える涼雅を見てると、あたしまで楽しくなる。
貴方が笑ってればあたしも笑える。
幸せならあたしも幸せ。
涼雅といるようになってから、大切な人といる幸せを覚えたよ。
よし、と涼雅はあたしの頭をくしゃっと撫でた。
「俺の側にずっといろ」
「いるよ。……ずっと隣にいさせて」
「素直じゃん。羽音のくせに」
「くせに、って何よ~」
あたしの膨れた頬をつつきながら、面白そうに笑う。
意地悪な涼雅だけど、その中に隠れた無限大の優しさが好き。