俺様の熟した恋の実~10years~
頬が熱くなってうつむくあたしを満足そうに眺めるのが、涼雅。
この意地悪!!
「そろそろ戻るか~…。じゃっ、また帰りね未空ちゃん♪」
「はーい♪待ってるねっ」
「羽音、帰りは俺と帰るから空けとけ」
「は、はい……」
優しく言う咲夜くん。
俺様で命令な涼雅。
未空が羨ましく感じてくるんですけど!?
咲夜くんと涼雅が教室を出てった後、未空が小声であたしに言った。
「涼雅くんと……今の関係ツラくないの?」
「…なんで?」
「だって!付き合ってないんでしょ?付き合いとか思わない?」
「前は思わなかったよ…。でも…」
最近は少しだけ涼雅の側にいたいと思う。
いざというときに助けてくれて、あたしを好きでいてくれる。
告白を断ったこと……あたしなりに後悔してるんだよ…。