俺様の熟した恋の実~10years~
肝心な放課後、あたしは未空と二人で玄関で待つ。
先に来たのは咲夜くん。
「未空ちゃん♪帰ろっか!」
「うん!帰る~」
「あれ?羽音ちゃん、涼雅……来てねーの?」
「来てないけど…」
「先に教室出てったんだけどな…」
ずっと未空と待ってたけど、涼雅は来てないし……。
それから、未空と咲夜くんも一緒に待っててくれた。
咲夜くんがいくら電話しても、メールしても反応はナシ。
「二人とも先帰ってていいよ」
「あたしも涼雅くん待つよ。いいしょ?」
「あぁ。俺も、もう少し電話かけてみる」
「気持ちだけで十分だから。ねっ」
二人を待たせるのは悪い気がする。
あたしは半ば強引に二人に帰ってもらった。
粘り強く待ってても来ない。
玄関にある時計の針だけがむなしく動く。